賃貸契約時に入居審査を通らないと契約が出来ません。
初めての方は内容が分からないと思いますので、
元不動産会社勤務の私が詳しく説明していきます。
①入居審査とは?
入居審査は、名前のとおり入居するのにふさわしい人物かどうかを判断する審査です。
入居申込書の内容から、勤務先、収入、支払い能力、人柄などを見て判断します。
収入に対して家賃が合っていない場合など、審査に通らないこともあります。
また、支払い滞納があったりすると審査に通らないこともあります。
審査期間は、早ければ1日、長くても1週間程で結果がでます。
審査に落ちた場合でも、別の物件であっさり通る場合もよくあります。
担当者がその辺はよく分かっていますので、心配しないで下さい。
②連帯保証人とは?
賃貸契約の際、大体の場合、連帯保証人が必要となります。
では、連帯保証人とはどのような定義なのか?
連帯保証人とは、債務者がその債務を履行しない場合に、
その履行をなす債務(保証債務)を負う保証人のこと。
連帯保証人は保証人とは違い、民法に定められた、
「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」がありません。
「催告の抗弁権」は、大家から賃借人が100万円(10ヶ月分)滞納したところ、
保証人であれば、「まず賃借人に請求してくれ」と言うことができます。
連帯保証人は「催告の抗弁権」がないので支払うしかありません。
「検索の抗弁権」は、賃借人が財産(例えば車)を所有していていることを証明すれば、
大家からの請求を拒むことができます。
連帯保証人は「検索の抗弁権」がないので支払うしかありません。
よって、連帯保証人は大家から請求されれば、すぐ支払うしかありません。
それほど連帯保証人は重要なのです。
しかし、今年2022年4月に民法改正が行われました。
「個人が保証人となる場合、極度額(保証の限度額)を定めなければ、無効となり、
しかも、この極度額の定めは、書面で行わなければ無効となる」という法改正です。
例えば、20万円の家賃設定の部屋で極度額を6ヶ月の120万円を設定します。
6ヶ月を超えると、それ以降の家賃は連帯保証人に請求できないことになります。
今後どういうことが起こるのか?
あくまで予想ですが、連帯保証人を1人ではなく何人も必要となる可能性があります。
さらに、連帯保証人を2人以上見つけるのは契約が難しくなり、
家賃保証会社への移行がどんどん進んでいく可能性があります。
また、不動産会社が極度額をどう決めるのか?
私は不動産会社を離れましたが、興味があるので今後見守っていきます。
③家賃保証会社(賃貸保証会社)とは?
家賃保証会社とは、賃貸契約時に、賃借人が一定の保証委託料を支払うことで、
入居者の家賃を大家さんに保証する会社です。
不動産会社によっては、家賃保証会社の利用が義務付けられている場合があります。
また、連帯保証人が立てられない場合、家賃保証会社を利用する場合があります。
家賃保証会社(賃貸保証会社)の利用した場合、
保証料が必要です。
保証料は、家賃半月分~1ヵ月分が多いいです。
保証料とは別に、1~2年毎に更新手数料が掛かります。
1年毎に10,000円というのが多いです。
※金額は会社により異なるので契約時に必ず確認して下さい
メリットとしては、連帯保証人を立てられない人は、
保証料さえ支払えば、連帯保証人の代わりになってもらえることです。
希望物件に今までは諦めていた人でも入居できるようになります。
デメリットとしては、最初に保証料を、1~2年毎に更新手数料と、
金銭的負担が掛かることです。
不動産会社も大家にも家賃保証会社は好都合で、
賃借人が滞納しても家賃保証してくれるし、自分で滞納家賃の請求業務もなくなり、
余計な業務が減って助かります。
④まとめ
入居審査は不動産会社の担当者の判断も基準の1つです。
身なりや言葉遣いはしっかりとして下さい。
あと、入居審査に受かろうとして嘘は絶対止めてくださいね。
では、良い物件に出会えることを祈っています。